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【ビーズクロッシェと糸】糸との相性を知って作品をより素敵に

糸にビーズを通してから編んでいくビーズクロッシェ。

どのような糸を使うと作品をより素敵に仕上げることができるのでしょうか?どんな素材の糸がビーズクロッシェに向いているのでしょうか?

糸といっても、細いもの、太めのもの、色も様々、メーカーもいろいろ、百円ショップでも手に入ります。

実は、いろいろな糸が手軽に使えるというのも、ビーズクロッシェの魅力の一つではあるのです(ビーズが通りさえすれば、どんな糸でも、もちろん編めるのです)が、

せっかく作るのですから、「きれいに仕上がる!」そして、「編みやすい!」というのも大事ですよね。

こちらでは、より魅力的な作品を作るための「ビーズクロッシェに最適!おススメ!」のレース糸等をご紹介いたします!

ビーズクロッシェに適している糸とは

ビーズクロッシェ作品例
そもそも、ビーズクロッシェとは、必要なビーズをあらかじめ糸に通し、レース針等で、作品を編んでいく技法です。

ですので、ビーズとレース針はもちろん、必須アイテムなのは、レース糸等の糸類。

ビーズは使いたいもの(これもある程度、使いやすいもの、そうでないものがありますが)を用意するとして、
糸はどんな糸がビーズクロッシェに適しているのでしょうか。その条件は?

同じビーズを使っても、糸がその作品に適していなければ、編みにくいですし、ビーズクロッシェは使用される糸が思ったより見えるので、作品の出来を大きく左右します。

お家に眠っていたりするレース糸とか、手芸店で販売されている糸、或いは、百円ショップ等で手軽に手に入るレース糸、、、
どんな糸でもよいのでしょうか。

もちろん、編み込みたいビーズがその糸に通せるのが大前提(ビーズが通らなかったら、使えませんので笑)ですが、
ビーズを入れて編むと、「編みやすい」糸と、「編みにくい」糸が、実は存在するのです。

ビーズクロッシェ作家兼講師兼ショップ店主の目線から、こちらのビーズを入れて編んで「編みやすい」糸、「編みにくい」糸を解説いたします。

ビーズクロッシェとは?

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ビーズクロッシェに適する糸の特性

ビーズクロッシェを編んでいる途中の状態
ビーズクロッシェは、レース糸等の糸やコードに、ビーズを通してから編みます。

ですので、ビーズクロッシェに使われる糸の条件の第一として、使いたいビーズが通る細さ、ビーズワークに一般的によく使われる丸大ビーズ、丸小ビーズ、パール(パールは以外に穴が小さいものが多いんです)が通るくらいの細さです。

ですから、ビーズクロッシェにでは、一般的に毛糸ではなく、レース糸、細めのコード類が使われます。

では、細めの糸や、コードの中で、更にどのような糸が、ビーズクロッシェに適しているのでしょうか。

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ビーズクロッシェを編みやすい糸とは?

また、毛足が長いモヘアタイプの糸は、通したビーズが糸の毛足に絡まってしまって、編めなくなってしまう可能性があるので、毛足の短い、撚りがしっかりとしたものが使われます。

撚りが甘く糸割れしやすい糸も、毛足が長い糸と同様、編んでいる途中で、ビーズが糸に絡まってしまうので、初心者の方には扱いがやや難しいです。

例えば、同じレース糸でも、オリンパスエミーグランデや金票より、ダルマのラメのレース糸は、ラメ入りで華やかな作品が編めますが、前者より、やや毛足が長く、糸の撚りも甘く割れやすいので、初心者の方が扱うには、難し目です。
ある程度、ビーズクロッシェに慣れた方におススメです。

よりきれいなビーズクロッシェ作品を生み出す糸とは?

仕上がりの点からみても、細くて、毛足が短ければ何でもよいかといえば、そうでもなく、糸の固さ、ハリが大変大事です。

以前一度、あまり使ったことのない糸を使ってみようと思い立ち、きれいな色のマクラメ用の糸を使用して作品を作ったことがあります。

編む際には、多少滑りが良すぎて、ビーズが滑ってやや編みにくいかなという程度だったのですが、
完成後、少し着用してみると、すぐに作品がくしゃくしゃになってしまい、途中、糸割れが目立ったり、よじれてしまったりで、せっかく編んだのに、2,3回つけただけで、もう使い物にならなくなってしまったことがあります。

今から考えると、その糸は糸のヨリが甘く、解けやすい、そして、ハリがあまりなく、形状が保たれにくいという特徴があったのだと思います。

ですので、一般的にビーズクロッシェ・キットに使用されている糸や、ビーズ販売店、ビーズクロッシェ関連書籍で、ビーズクロッシェに最適と紹介されている糸類を使うことが、やはり安心ということになるでしょう。

ただ、ビーズクロッシェに慣れた方で、様々な糸を試すという心意気は、もちろん必要だと思います。

ビーズクロッシェに適する糸の種類

こちらでは、一般的に「ビーズクロッシェ」に適するといわれる糸類を紹介いたします。

最も身近なものは、「レース糸」かと思いますが、ほかにもよく使われるものがあります。

・レース糸(20番、40番等の太さ)
・コード類
・ビーズクロッシェ専用糸
・その他 テグスなど


一般的なビーズクロッシェの作品キット類は、使用する糸がキットにセットされていることが多く、また、書籍等で掲載されているビーズクロッシェの作品のレシピ等には、必ず糸の指定がありますので、そちらの指定の糸を使うのが良いでしょう。

ビーズクロッシェの糸は、作品の出来を大きく左右しますので、指定されている糸を使うことは、とても重要なことです。
糸が変わると、使用するビーズ、編み方があっても、仕上がりの印象はかなり変わります。

ただ、特に書籍やネットなどのレシピ指定の糸が手に入らない場合や、ご自分でオリジナルや、色替えなどをしてみたい(著作権法にご注意ください!)という場合は、どのように糸を選んでいった方がよいでしょうか。

糸の種類ごとに、説明していきますね。

レース糸

ビーズクロッシェに最も一般的に使われるのが、レース糸です。

毛糸でも、極細の製品であれば、ビーズを通し編むことは可能ですが、一般的なビーズクロッシェの作品では、やはりレース糸が使われています。

私の作品も、ほとんどがレース糸を使用した作品です。


ビーズクロッシェの作品で、もっとも使われているのは、レース糸の番手でいうと、20番、40番(*)。

製品のラベルに、大抵「#20」「#40」という表記がされています。

また、私が好んで使っているダルマの「ラメのレース糸」は、30番という太さです。

レース糸には、もっと細い80番、100番などの種類もあり、繊細な作品が編めますが、ビーズを通すとそれだけ絡まりやすくもなり、細すぎる糸は、扱いが難しくなります。

ビーズクロッシェ上級者は、このような極細の糸を使って、非常に繊細な作品を製作することもありますが、一般的な作品には、20番~40番の太さのものが使われています。


「編みやすい」と私が感じ、おススメなのは、

・オリンパス エミーグランデ 20号 (オリンパス製絲株式会社)

 太めのレース糸。上質なエジプト綿を100%使用。カラバリが豊富で、ラメ入り、グラデーションカラーのものがあり、楽しめます。
 また、太目で編みやすく、ビーズクロッシェ初心者様にも。

・オリンパス 金票 40番 (オリンパス製絲株式会社)
 様々な作品でビーズクロッシェに使われているレース糸。こちらも上質なエジプト綿を100%使用。豊かなカラーで、グラデーションの
 パターンも豊富です。糸のよりがしっかりしているので、通したビーズが扱いやすく、切れにくい。

・ダルマ ラメのレース糸 (横田株式会社)
 キラキラとしたラメが印象的なレース糸。華やかな印象の作品に向きです。
 ビーズを少しだけ入れて、糸だけのパートが多くても、作品として成立するこちらもビーズクロッシェには、よく使用されている。
 カラバリは8色。
 オリンパス金票に比べると、多少、糸のよりが甘いので、クリスタルガラスなど、穴のカットの鋭いビーズを使う場合は、
 糸が切れる可能性があるので、注意が必要。


よく使われているレース糸は、こちらの3種ですが、もちろん、そのほかのレース糸も使用できます。

百円ショップで、販売されている20番、40番のレース糸でも、手軽にビーズクロッシェが楽しめます。

ただ、上記のメーカー品と比べると、糸のよりが甘く切れやすかったり、毛足が長めで、ビーズが絡まりやすかったり、
「ビーズを引き寄せて編む」際に、滑りが悪いという欠点もあります。

しかし、「町の手芸店」が激減している現在、メーカー品のレース糸は、意外に入手困難となっていますので、
ちょっと試してみよう、、、という方には、お値段的にも、百円ショップのレース糸を使っていただくのもよいと思います。

より、ビーズクロッシェを楽しみたい、素敵な作品を作りたいという場合は、ぜひ、上記のおススメの糸をお試しいただきたいです。


*レース糸は、数字が大きくなるほど、糸の太さが細くなります。

コード類

ビーズクロッシェでは、レース糸以外にもマクラメなどで使用される、いわゆる「コード」類も使うことができます。

画像奥の大きい巻きのコードは、「メタリックコード」と呼ばれているもので、ちょっと太めですので、丸小ビーズや穴の小さなビーズは通らないこともあるので、使用できるビーズは限られますが、

光沢があり、編むとまるで、「糸」というより「ワイヤー」で編まれたような作品に仕上げられます。

また、コード類は、けば立ったり、糸のように割れたりもしないので、初心者さんが編みやすいという利点があります。

レース糸の作品ですと、どちらかというと、エレガンス系の作品が多いのですが、コードを使って編むと、カジュアルな仕上がりのものが作りやすいので、日常使いのものをデザインするのにも、コード類はおススメです。


そして、画像手前のものは「グリフィン糸-ナチュラルシルクコード(絹100%ビーズ糸)」。

グリフィン糸とは1866年に創業したドイツのSchinle Perlseiden社のメーカーブランドの"グリフィン"が手掛けるビーズコード(ビーズ用の糸)のことです。

天然石等を通すだけのシンプルなアクセサリー作りにも使われるもので、絹100%だけあって、光沢がよく、適度なハリもあって、ビーズを入れずにシンプルに鎖編みで編むだけでもきれいな編み地になります。

また、先端に細いワイヤー針が付いているので、「ビーズ通し針」をつける必要がないというのも、魅力の一つです。

ただし、封入の全長が2メートルと決まっているので、複雑な作品を編むには、かなり短いです。
ですので、その長さで編み上げられる鎖編みのみの作品に使われる場合が多いようです。

ビーズクロッシェ専用糸

チューリップ株式会社や、フジックス株式会社より、ビーズクロッシェ専用糸が販売されています。

画像は、チューリップ株式会社製ですが、どちらかというと、「コード」の部類に近いような感覚です(私見です)。
一般のレース糸より、撚りがしっかりとしていて、毛羽立ちが少なく、ビーズの滑りもよいものが多いです。

私は、個人的に、レース糸を使ってビーズクロッシェを編むことからスタートしましたので、あまり、「ビーズクロッシェ専用糸を用いた経験がなく、扱いに不慣れなせいか、細めのビーズクロッシェ糸は滑りが良すぎて、やや編みにくい(申し訳ありません)のですが、
これは「慣れ」の問題もあるかと思います。

太目のビーズクロッシェ専用糸は、レース糸とコードの中間的な感覚て、ビーズを入れても、ビーズを入れなくても、しっかりとした編み地になるので、シンプルな編み地でも素敵な作品に。

色も鮮やかな美しいものが多いので、自分の好みの色を選ぶのも楽しいです。
細めのレース糸だと、ちょっと頼りない編み地になりがちなビーズを入れた鎖編みやループクロッシェ、ルトゥールクロッシェなどの編み地を編むときに便利ですし、作品の仕上がりもきれいなものになります。


ただ、一般の手芸店では取り扱いのない場合が多く、なかなか手に入りにくいのが難点です。
フジックス株式会社、チューリップ株式会社のビーズクロッシェ専用糸は、大型のビーズ専門店で手に入れることができる場合もあります。

Little Beads Villageのショップでは、現在、チューリップ株式会社製のビーズクロッシェ専用糸を販売しております。
ご興味ある方は、ぜひのぞいてみて下さい!

まとめ~美しい作品を作るために、そして、楽しく編むための大切な糸選び

作品に合わせた糸選び
以上、ビーズクロッシェに適している糸類をご紹介しました。

既製品ではなく、ご自分で「編んで楽しんで、身に着ける」ということから、美しい仕上がりのために、

1)ハリがある毛羽立ちの少ない糸類
2)編みやすい糸割れの少ない撚りのしっかりした糸類

が大前提となります。

10年以上ビーズクロッシェに携わってきた経験では、やはり、信頼のおけるのは、当然のことではありますが、大手メーカー製造の糸類、また、「ビーズクロッシェ」関連の書籍、ビーズ販売店(ネットショップを含む)に取り扱いのある糸類だと思います。

初心者様向けの糸

初心者の方は、どうしても手近で手軽な百円ショップやお宅に手持ちの糸類を使ってしまう場合もあるかと思いますが、仕上がりの点でも、編みやすさという点でも、あまりお勧めはできません。

初めてビーズクロッシェにチャレンジされるという方には、その作品に合った糸類が封入されている市販のキットが最適でしょう。
出来ましたら、まずは、お気に入りのキット等でチャレンジしてみて下さいね!

オリジナル作品を作るための糸

オリジナルで作品を作られる場合は、糸の種類のご紹介の際に少し触れましたが、作品の雰囲気によっても、糸選びの判断が変わってきます。

カジュアルな鎖編みで編むようなシンプルな作品には、コード類、ビーズクロッシェ専用糸がパリッと仕上がりますし、エレガントな複雑な作品を編む場合は、オリンパス金票やダルマのレース糸のような細めのメーカー品がお勧めです。

キラキラした作品にはラメ糸、マットなインパクトがある作品には、やや太めのコード等、オリジナル作品製作の場合は、糸を変えるだけで作品の印象もかなり変わりますので、いろいろな糸を試してみるのも楽しいです。

クリアなビーズに、グラデーションの糸を使用してみたり、ラメ糸を使ってみたり、糸を変えるだけで色替えしたりできるのも、ビーズクロッシェの楽しみの一つです。

ぜひ、糸類からも「ビーズクロッシェ」を楽しんでくださいね!

ビーズキット店Little Beads Villageショップでは、すべてのビーズクロッシェ作品キットに糸が封入されています。
各デザイナーが選んだ糸とビーズ、作品の相性も楽しんで頂けましたらと思います!
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